クラウドストレージとNASはどちらを選ぶ?法人利用で重視すべきポイント
2022/07/22 🆙2022/11/04
ネットワークセキュリティ
-
真地 小真理
まあぢ こまり
- 部署管理部
- 性格日々アナログな業務や、無茶ぶり上司に困っている。
-
寄添 ます美
よりそえ ますみ
- 部署営業部
- 性格抜群のセンスと直観力がある。OSPを業務改善へ導く。
-
沖楽 部長
おきらくぶちょう
- 部署管理部 上司
- 性格システムが分からないゆえに悪気なく無茶ぶりをする。
※この登場人物は架空の人物です。実在するOSP社員ではありません。
社内データの共有やバックアップのために比較されるクラウドストレージとNAS。
「自分たちにはどちらが良いのだろう?」「何が違うのだろう?」といったお悩みはありませんか?
たしかに両者とも「データの共有・バックアップができる」ツールではありますが、それぞれ強みが異なります。
今回はクラウドストレージとNASを比較し、利便性やコスト面、セキュリティ面などの解説をしていきます。
ぜひ、自社のニーズに合わせた導入計画にお役立てください。
目次
クラウドストレージとは
クラウドストレージとは、インターネット上のストレージ(倉庫)にデータをアップロードすることで、データの保存や共有を実現するサービスです。
馴染みのあるクラウドストレージを上げると、Appleの「icloud」や、Googleの「Googleドライブ」、Microsoftの「OneDrive」などがクラウドストレージに当てはまります。
無料版から有料版を含め様々なクラウドストレージが存在しますが、セキュリティ対策はサービスによって大きく異なります。
やはり無料版や安価なクラウドストレージは、コストパフォーマンスが良い一方、セキュリティの部分では有料版に比べて大きな差が出てしまいます。
法人で使用する場合は、多くのセキュリティ対策が取られている有料版や上位プランのクラウドストレージが望ましいといえます。
NAS(ナス)とは
NASは、「Network Attached Storage」 の頭文字をとったもので、文字の通りネットワークに接続して使用することができるHDD(記憶装置)です。
一般的なHDDはパソコン内部に入っていたり、外付けHDDのようにパソコン1台に直接接続するものであったりしますが、NASはネットワーク(LAN)に接続していれば複数台の端末からアクセスができ、ファイルの保存や共有ができます。
また、機器によってはWebアクセス機能なども搭載しており、インターネットに接続できる環境であればどこからでもファイルの保存・閲覧ができます。
クラウドストレージのメリット・デメリット
クラウドストレージのメリット
導入コストや労力がかからない
クラウドストレージは事業者から提供されるサービスであるため、導入にほとんどコストや労力がかかりません。サービス事業者に申し込みをすることで簡単に利用を開始することができます。
専門知識が必要ない
運用も前述同様サービス事業者が管理しているため、何かあれば事業者の方で対応してくれます。
いつでもどこでもアクセス可能
クラウドストレージはインターネットに接続できる環境であれば、IDとパスワードのみでアクセスが可能です。外回りなど社外で業務が多い企業やリモートワークの方には適しています。
過去の状態に戻すことができる
「誤ってデータを削除してしまった」「過去の状態に戻したい」などの場合、通常のデータ保管方法だと復元に苦労しますが、クラウドストレージの多くは保存されるごとにそれぞれのファイルの編集履歴を自動的に残して、以前のバージョンに復元する機能が利用できます。
ただし、サービス事業者やプランによって保管期間に制限がありますので注意が必要です。契約時は必ず確認するようにしましょう。
クラウドストレージのデメリット
データ消失のリスク
大手のクラウドストレージであれば可能性は低いですが、万が一利用中のクラウドストレージがシステム障害を起こしてしまうと、データの消失につながる可能性もあります。
また、システム障害により一定期間アクセスできなくなるなど、業務に支障がでることもリスクとして意識しておかなければなりません。
セキュリティリスクがある
オンラインストレージに接続するには、ID・パスワードを利用するのが一般的ですが、これらのアカウント情報が漏れた場合は、第三者にデータを覗かれる、あるいは盗まれる可能性があります。
漏えいは、ユーザー自らセキュリティが弱いパスワードを使用していることが原因でアカウント情報が漏えいする場合もあります。あるいは、オンラインストレージサービス自体がハッキング被害などに遭い、アカウント情報が盗まれてしまう場合も考えられます。
近年では、ほとんどのサービスが二要素認証(多要素認証)を採用しているため、ID・パスワードが漏れてすぐに被害に遭うということは考えにくいといえますが、二要素認証を含む多要素認証をユーザーが設定できるかどうかは大きなポイントとして意識しておきましょう。
使用する人数や容量が増えるとコストも膨らむ
クラウドストレージは、1ユーザーあたり利用料が発生しますので、使用する人数が多くなればなるほど、ランニングコストが膨らみます。
また、容量が増えると利用プランのランクを上げる必要があるため、最終的に高額になりがちです。
NASのメリット・デメリット
NASのメリット
運用費がほとんどかからない
NASは機器本体の導入費は発生しますが、運用費はかかりません。
厳密にいえば、稼働するための電気代はかかるのですが、負担になるような金額になることはないはずです。
一方でクラウドストレージには毎月サービス利用料がかかるため、使用する人数が多ければコストが膨らみます。これはNASならではの利点と言えるでしょう。
全体の容量を社内メンバーでシェアできる
NASは全体の容量を社内でシェアして利用します。
仕事内容によって、大きいデータを扱う人もいれば、小さいデータしか扱わない人もいるでしょう。NASにデータを保存すれば、保存容量を分け合うことができるので、無駄なく容量を使うことができます。
役職や部署ごとにアクセス制限ができる
NASは、保存・共有されたファイルを開く際にアクセス制限を細かく設定することができます。
アクセス制限を設定することによって、役職者や部署ごとなど権限者以外には閲覧できないファイルの作成をすることができます。
また、細かい設定として「データを読み込むことは可能で書き込みだけ不可」という閲覧のみの設定もできます。
「trashbox(ゴミ箱機能)」でデータの復元が可能
NAS内でファイルを削除すると、即座にファイルがなくなるわけではなくいったん「trashbox」のフォルダに保管されるようになります。
誤って削除した場合や、後から復元したい場合は、「trashbox」にあるデータをコピー(または移動)で復元が可能です。
ただし、そのままにしていると「trashbox」に削除したデータが溜まっていきますので、定期的に削除しましょう。
RAID機能でデータ消失のリスクを減らすことができる
RAID機能を搭載しているNASであれば、データ消失のリスクを減らすことが可能です。
RAIDとは、複数のHDDにデータを分散して保存する仕組みです。
そのため、1台のHDDが故障したとしてもデータは保存されています。RAID機能には、いくつか種類があり、RAIDの数字が大きいほど耐障害性が強いです。
例|RAID1(ミラーリング)の場合
VPNアクセスやWebアクセス機能で外部からアクセスができる
Webアクセス機能やVPN アクセスを出来る環境することにより、外出先からでもNASへアクセスすることができるので、クラウドに近い使いやすさになります。
大量のデータを持ち歩く必要もなく、いつでもどこでも社内と同じ環境でデータを扱えるのは、外回りが多い職業の方には大きなメリットといえます。
NASのデメリット
導入コストが高い
NASは機器を購入しなければならないため、法人用で約10万円~90万円と容量の大きさによって導入コストが大きくなります。
構築や運用に知識が必要
NASは購入してからセットアップしなければならず、ネットワークに関する知識がある人材が必要です。
また、機器である以上、経年劣化や物理的な衝撃によって故障するリスクがあるため、定期的なメンテナンスと機器の入替が必要になります。
災害発生時の物理的損傷によるデータ損失のリスク
システム障害によるデータの損失とは別に、機器であるため物理障害や災害が原因でNASが損傷し、データを損失してしまうリスクはあります。
しかし近年では、物理的損失によりデータ損失を防ぐため、NASのデータをクラウドストレージや外付けHDDにバックアップを取ることが主流になっております。
企業の大切なデータは3重でバックアップ取る対策をオススメしております。
何を重視して導入するかがポイントになります。
法人用で重視するポイント
企業でデータの共有・保存を行うシステムを導入する際に意識するポイントは、
- コスト
- 操作性(機能)
- セキュリティ管理
- データ消去のリスク
この4つが選定するポイントになるといえます。
最後のデータ消去のリスクは、どの企業も一番重要なポイントではないでしょうか。
導入・運用コスト
導入・運用にかかる費用を比較すると、NASの方が安く利用できます。
クラウドストレージは、インターネット上にデータを保管するものなので機器の購入はありませんが、ランニングコストが発生します。
一方、NASは機器の導入が必要なため導入費は発生しますが、運用のためのランニングコストはかかりません。
全社で2TB以上と想定した場合、支払い総額で考えるとNASの方がお得になります。
操作性(機能)
快適な操作性は、NASの方が快適に操作しやすく自由度も高いです。
データを送受信する際、クラウドサービスへの接続は電波の良し悪しに左右されますが、NASは基本的にLAN内なので常に高パフォーマンスでストレスなく送受信が可能です。
また、NASには前述しているようにアクセス権限を細かく設定できることや、VPNアクセスやWebアクセスを設定すれば外出先からもアクセスが可能なので利便性も高いでしょう。
セキュリティ管理
自社で運用のしやすいのは、セキュリティ対策の必要がないクラウドストレージです。
ただ、インターネットを介しているため情報流出や不正アクセスを完全に防ぐことはできません。また、機密情報を保管するのにインターネット上での管理は、不安を覚える企業も少なくないでしょう。
一方、NASは自社内でセキュリティ対策を行わなければならないため、社員に専門知識が必要です。ですが、NASは構造上クラウドストレージと比べると、保存データが漏れるリスクは低いです。
データ消去のリスク
データ消失に強いのは一般的にクラウドストレージです。
NASは物理的影響によるデータ消去リスクが高いため、強い衝撃や災害発生時などで機器が損失した場合、データが飛んでしまう可能性があります。
しかし、クラウドストレージのデータ消失リスクも低いとは言い切れません。過去には大規模な障害が発生してデータが消失した事例もありますが、通常はサービス事業者が可能な限りリスク対策を行っているため、NASよりもリスクが低いと言われています。
NASを導入する際は、前述したRAID機能が搭載した製品を検討した方が良いでしょう。
クラウドストレージとNASの比較表(中小企業を想定)
クラウドストレージ | NAS | |
導入コスト | なし | 機器の購入が必要 |
運用コスト | ランニングコストが発生 | なし |
操作性(機能) | △ | 〇 |
管理負担 | サービス事業者が管理 | 自社で管理 |
データ消去のリスク | 情報流出のリスク | 物理的損失のリスク |
「すでにNASを使用していて、クラウドストレージへ切り替えを検討している」というケースは、切り替えではなくNASとクラウドストレージの併用がオススメです。
ここまでの解説でクラウドストレージとNASは一長一短ということが分かると思いますが、相互間で同期連携が可能なので、併用できればお互いの短所を補い、よりデータ消去のリスクを防ぐことができます。
まとめ
クラウドストレージとNASを比較すると、それぞれにメリット・デメリットがあることが分かります。目的をはっきりさせて、優先度の高い目的に応じている方を選ぶと良いでしょう。
また、弊社は利便性・コスト面・セキュリティ面の観点で中小企業にはNASをご提案することが多いです。
ただ、NASの導入にはデメリットでも上がった構築や運用に知識が必要となります。
弊社では、お客様の業務内容やユーザー数、データ容量などを考え機器の選定や構築、導入後のバックアップ管理までサポートが可能です。
機器とサポートプランがセットになったお得なプランもご用意しておりますので、データ管理はオフィスシステムプロダクトにお任せいただき、お客様は本業に集中することができます。
お困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。
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